3年ぶりのフランケン。
再演を熱望する声がかなり多かったらしいこの作品。
初日の客席は、個々から発せられる「待ってました」と言わんばかりの熱によって劇場全体が包み込まれているように感じたほど。拍手も大きく温かく、本当に愛されてる作品なんだなと肌で感じました。
再演版は変わった部分も多少はありつつ、いい意味で全く変わってなかったともいえる。
オープニングの「Overture」は嫌でも期待に胸が膨らむし、「ただ一つの未来」を聞けば自然と体が高揚するし、「君の夢の中で」においてはアンリの悲しき運命に息を飲むし、「生きるということは」ではカトリーヌにどうか幸せを…と願ってやまないし、「傷」では怪物のこれまで辿ってきた道の険しさに涙を誘われる。
そんな、3年前と全く変わらない感情を彼らに抱くことができて、懐かしい気持ちになりました。他作品ではあまりこういうこと感じないので、フランケンが特別なのかなぁと思います。
フランケンシュタインの魅力は、私は何よりも歌だと思っていて。
お話自体は結構ツッコミどころが多いとおもう。テーマがしっかりしてるからナンジャコレとはならないし考察しがいのある物語だとは思うけど、場面転換の落差とかものすごい。もはや目まぐるしい。しかしそれを補って余りある、楽曲の素晴らしさ。
推しさんの歌は、3年前も「めっちゃ上手くなってる〜」と思ったけど、今回は更に上をいく「めっちゃ上手くなってる〜」具合で、目を見張りました。高音はまだ少しキツそうなところもあるけど全体的に安定感がすごく増していらして、素晴らしい楽曲を素晴らしいままに伝えてくださるのすごいな、この3年でたくさん努力されたんだな、と胸が熱くなりました。歌が安定したからなのか芝居感はちょっと抜けたようにも感じたけど、フランケンでは逆にこれが合ってるのかもなとも思ったりした。
お芝居も、めちゃくちゃカッコいい役作りに変わっててビックリしました。これについてはもうちょっと見てから消化したい。
そんなわけでひとまず、パワーアップしたフランケンが帰ってきて大変嬉しい気持ちになった初日でした。
以下蛇足。
実は初演時にもフランケン感想のエントリーを書いていたのですが、余計な先入観を入れたくなかったので復習せずにここまで書き進めました。
フランケンシュタイン(ほぼかずきさん)感想 - 寝ても覚めても
で、今読み直しました。
うん、
クソ生意気!!(笑)
読み返すとほんと黒歴史だなーって恥ずかしくなるけど、「当時はこんなこと思ってたんだ」って振りかえれるのはいいことだと実感しております。前回に感じた演技の引っ掛かりが、今回は特に違和感がなかったことを思い出せたわけだし。記録していたからこそ、照合できたこと。当時の自分GJ。
公開する・しないは別にどっちでもいいと思うんですけど、とにかく自分自身の言葉で観劇記録を残すのって大事だな、楽しいなと思った次第であります。
おしまい。