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ミュージカル「ファントム」雑感(ネタバレ有)

ミュージカル「ファントム」(2019年・城田優 演出)

 ※演出のネタバレはしてませんが物語にはガッツリ触れておりますので未見の方はご注意ください。

 

醜い顔に産まれてしまったファントム(エリック)の、切なくも美しい親子愛を描いた物語。のように感じました。

どうしようもなく可哀想な悲劇ではあるんだけど、結末はとてもハッピーエンドに見える。

ベラドーヴァ(母)の子として産まれて来たこと、クリスティーヌに出会えたこと、そして父親に愛されていたこと……これらの出来事は闇に生きるエリックにとっての僅かな光であり、幸せな瞬間でもあったんだな……と思うと。そしてあの笑顔を見ていると、単なる不幸なお話には思えなくなったんですよね。

 


和樹さんのエリックは、他人との接し方を全く知らずに育った、まるで大きな子供。そのコミュ障感が演技にも表れていて、すごくわかりやすい!キャラクター像が理解しやすい故に感情移入もしやすく、私たちの(?)かわいいエリック♡だと思えました。
和樹さん、エリックとして生きてた時期でもあるのかな、って思ったくらい今回役そのものだった気がします。もちろんクセとかは残ってるんだけど。和樹さん本人はとてもお顔がいい方だし、歌手にもなれてるし、エリックとは真逆の人生を歩んでいるように見えるのだけど、それを全く感じさせないというか。役の気持ちを理解していないと良い演技なんて出来ないと素人ながらに思うんですが、真逆を生きてるはず和樹さんの演技、ものすごくよかったです。
それから歌もよかった。声がよかった。これいつも言ってる気がするけど、大好きな和樹さんがたっぷり詰まってた。ミュージカルにおける和樹さんの信念、この作品と親和性高いよね、とも思った。


それにしてもこの作品、希望と絶望が交互に押し寄せてくるので情緒が大変!見てるだけでどっと疲れる!!

そんな感動ポイントはたくさんあるのですが一番好きなのはやはり岡田浩暉さんと和樹さんによる「♪You are my own」(クソデカボイス)でして……、いや是非生で体感して欲しい。こんなに胸にグッと迫ってくるほど気持ちの良い絶唱、今後の人生で二度聞けるかどうかわからない。


クリスティーヌもシャンドン伯爵もWキャストでそれぞれの持つカラーが全然違って、見比べるの楽しかったです。城田エリックはDVDで見るか、もしくは我慢できなくなったらどこかでチケット探します!!


城田さん演出の「ファントム」、自分、めっちゃ好きっす。
そして和樹さん、初のタイトルロール、本当におめでとうございます。
あんまり意識してないだろうけどオタクは嬉しくなっちゃいました。